この記事はこんな方におすすめ
- ボートレースを始めたばかりで基礎を知りたい
- ボートレースのルールや仕組みを知りたい
- ボートレースとは何かを知っておきたい
この記事では「ボートレース(競艇)とは」という基礎知識について、初心者向けの情報を詳しく書いていきます。
ボートレースを始めたばかりの人には、非常に参考になる記事だと思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
ボートレース(競艇)とは
ボートレースとは、6艇のモーターボートを操縦するボートレーサーが1周が600mのボートレース場を左回りに3周して、1,800mで着順を競う公営競技になります。
ボートレース場は全国に24ヶ所もあり、各ボートレース場では年間約180日間も様々なレースを開催していて、年間では約5万レースが開催されている計算になります。
ボートレース年間レース数は
- 1日12レース×180日×24会場=51,840レース
同じ公営競技の競馬では「芝・ダート・障害」など走るコースも違えば、「1,200m~3,600m」など走る距離も異なりますが、ボートレースではどのレースも1周600mのコースを左回りに3周して着順を決めるというルールは変わりません。
選手の年俸はゴルフや個人で競われる個人スポーツのように、賞金ランキングで年間トップを狙います。
毎年年末に行われる優勝賞金1億円という「SG賞金王決定戦」に出れるように、1月から5種類のレース(SG、G1、G2、G3、一般戦)でポイントを獲得して出場できるレースを増やしていきます。
ボートレースに出走するボートは6艇と決まっていて、艇番ごとに色が決まっています。
1号艇は「白」、2号艇は「黒」、3号艇は「赤」、4号艇は「青」、5号艇は「黄」、6号艇は「緑」となっていて、他の公営競技(競馬や競輪)でも同じ色なので、簡単に覚えられる配色になっています。
ボートレーサーは現在約1,600人ほど登録されていて、勝率によって4つのランク(A1級、A2級、B1級、B2級)に階級が分けられています。
SG(スペシャルグレード)やG1(グレード1)などグレードレースと言われる重賞競走は、各レースの出走条件やA1級でないと出場できないなどありますが、一般戦のレースではトップランクのA1級と一番下級ランクのB2級の選手が一緒に競うレースもあります。
過去には実勢の多いA1級と勝率が低いB2級の選手が戦った場合、圧倒的な差で勝率の高いA1級の選手が勝っていましたが、いまでは抽選で超抜モーターを引いた選手が勝率の低いモーターを引いたA1選手に勝つこともあります。
また競艇では「フライングスタート方式」という、特殊なスタート方式を採用しているので、展開次第ではA1級の選手が必ず勝てる保証はなくなっているのです。
フライングスタート方式
ボートレースで使用される艇は、ハンドルとスロットルレバーだけで操縦する単純な仕組みになっています。
スロットルレバーを握るとモーターの回転が上がり、プロペラが高速で回転することでボートは前進する仕組みですが、ブレーキは付いていないため、スロットルレバーを離している状態でもモーターは低速回転で動いていますので、徐々に前進することになります。
横一線に並んで一斉にスタートすることが難しいボートレースでは、あらかじめ決まった定位置のスタートラインを大時計が0秒から1秒までの間に通過しなければならないのが「フライングスタート方式」になります。
助走距離はインコースのスロースタートであれば100m~80m程度となり、アウトコースのダッシュスタートであれば180m~200m程度となり、そこから大時計の0秒を目掛けて各艇がそれぞれのタイミングで加速をしていくことになります。
スタートラインを0秒になる前に通過するとF(フライング)となり、1秒を超えて通過するとL(出遅れ)となり、スタート事故として扱われてしまいます。
そのフライングも出遅れもレースでは失格となり、1回で30日の出場停止処分になり、2回目は60日、3回目は90日という期間でレースに参加できなくなるので、選手としてもフライングは絶対に避けたい事故と言えます。
ただスタートラインを0秒に近いところでトップ通過できれば、そのレースでは1周1マークを最初に通過できるチャンスが大きくなり、レースで勝つ可能性は高くなるので「予選突破を狙うレース」や「準優勝戦」や「優勝戦」ではフライング覚悟で狙ってくる選手もいるのも事実です。
レースに大きく影響する引き波とは
なぜボートレーサーがフライングのリスクと戦いながら「スタートタイミング」にこだわるのか?
それは、トップスタートを切れば1周1マークを最初にターンできるチャンスが訪れるからです。
1周1マークを最初にターンすると、その艇の後ろには「引き波」というスクリューでかき回された白い波ができ、空気を多く含んでいるためにとても不安定な状態になっている。
そこへ後ろの艇が「引き波」を通過しようとすると、空気を多く含むところにプロペラが空回りの状態をおこし、推進力が下がり失速したり、思い通りに曲がり切れなくなったりすることが起きる。
ボートレーサーやファンの間では「キャビテーションを起こす」ことの略で「キャビる」と呼ばれていて、あえて狙って引き波を起こすことを「バンカーを掘る」と言われています。
直線でも前を走る艇が後ろから来る艇を引き波にハメようと斜めに横切る場合がありますが、ボートレース用語では「しぼる」と言われていて、引き波の影響はそれだけ大きいことを表します。
ボートレースでは1周1マークの攻防で順位が決まってしまう確率が高いのは、この引き波の影響が大きく、走り出してしまえば前の艇を追い抜くことがいかに難しいのかが分かります。
節の開催前にモーターを抽選で決める
ボートレースで使用するモーターとボートは、主催者(ボートレース場)の所有物で、使用期間は1年間と決められたものが約70機ほど用意されています。
2014年12月から全ボートレース場を対象に「出力低減モーター(ヤマト331型)」を導入、突発的な接触事故の衝撃緩和に機能が向上しましたが、それ以前に使用されていたモーターに比べて3周回タイムで約2秒遅くなりました。
ただ全く同じ規格で作られているモーターなのに、馬力があるモーターや直線の伸びが良いモーター、回り足が早いモーターなど、それぞれの特徴が異なり、当然2連対率の高いモーターや前検タイムの良いモーターなど差が出てきます。
モーター整備の良い選手が重なったりすることで、そのモーターの勝率が跳ね上がり、超抜モーターと呼ばれるほど、誰が乗っても勝率が上がりやすいモーターになる場合もあります。
モーターの抽選は、レースが開催される前日にある「前検日」に各ボートレース場で行われています。
この抽選日で超抜モーターを引くことができれば、たとえB級クラスの選手でもA級クラスの選手相手に負けない戦いができる可能性が増えます。
ボートレースで勝率を上げるためには、ボートレーサーの技術や実力も確かに必要ですが、今では性能の高いモーターを抽選で引くことも重要な要因になることを覚えておきましょう。